Dr.Nakajimaプロフィール 免疫治療専門医 Dr.中嶋
Dr.中嶋ブログ 不定期更新中!! 良寛の心
「がんが進んでしまっても長生きはできる」

「がんが進んでしまっても長生きはできる!」
中嶋靖児 著
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群馬県の上毛新聞に取材掲載されました。

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伊勢崎産業会での講演が
上毛新聞に掲載されました。

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リンパ球免疫治療の講演が
新聞に掲載されました。

リンパ球免疫治療ー中嶋靖児公式サイトTOP免疫はがん治療の決め手がん細胞を攻撃するNK細胞

免疫はがん治療の決め手
がん細胞を攻撃するNK細胞

免疫には血清などの蛋白が主役である体液性免疫と、リンパ球などの細胞が主役である細胞性免疫の二つの種類があります。がんの免疫は後者で、リンパ球やマクロファージなどの免疫細胞が直接がん細胞を攻撃する細胞性免疫です。これらの細胞が直接にがんに対する抵抗性を担っています。

現在、がんの免疫では少なくとも5種類の細胞が重要であることがわかっています。
それはTリンパ球、Bリンパ球、ナチュラル・キラー(NK)細胞、NKT細胞それにマクロファージです。
これらの5種類の細胞の内、前の4種類の細胞はすべてリンパ球です。

そして最後のマクロファージは、もともとは系統発生学的に、これらのリンパ球の前段階の細胞である原始マクロファージの末裔です。血液細胞はすべてこの原始マクロファージから発生した細胞ですので、4種類のリンパ球もすべてその原始マクロファージから進化して生まれてきた細胞であったのです。

これらの免疫細胞は生まれながらに人々の体に備わっていて、病気の発生を未然に防ぐ仕事を共同で行なっていたのです。

がん治療の研究では、リンパ球の中で特にナチュラル・キラー(NK)細胞が大きな働きをすることが最近判りました。

NK細胞はそのままでも癌の増殖を抑える力を持っていますが、そのNK細胞を刺激して活性化させると、更に大きな力を発揮するようになることがわかりました。

NK細胞は何らかの刺激を受けると、自分の遺伝子を作動させて活動を開始し、活性化されます。そしてNK細胞がもともと持っていた本来の力を発揮するようになります。

実はNK細胞は、他の細胞よりも、がんの増大や転移を抑える大きな能力を持っていたのです。

NK細胞の意外な力

NK細胞は培養管の中のがん細胞に対しても、ある程度は細胞を殺すキラー活性があります。

しかしその力は弱く、しかも攻撃できるがん細胞の種類も必ずしも多くはありません。

ところが、NK細胞を何らかの方法で刺激して活性化させると様相は一変します。

がん細胞を殺す力であるキラー活性が強くなるだけでなく、殺すがん細胞の種類、すなわちスペクトラムも急に広くなります。しかもNK細胞を刺激して活性化させる物質は、漢方薬やキノコの成分、または結核菌などの菌体成分などといったごく普通の物質でも良く、がん抗原などのような特別な免疫活性物質である必要はなかったのです。

すなわちNK細胞は、免疫用語でいう非特異的物質でも活性化させることが可能な細胞であったのです。

このようにして活性化されたNK細胞は急に大きな力を発揮し、どのような種類のがん細胞に対しても強烈に攻撃をすることがわかりました。このような状態になったNK細胞を「アノマラス・キラー(anomalous killer)細胞」、すなわち「変則的殺し屋細胞」といいます。この「変則的」というのは、通常ではないという意味です。

通常の方法とは、免疫細胞に、攻撃しようとするウィルスや細菌などの成分である抗原を直接接触させて感作し、その抗原に対する抵抗性を免疫細胞内に誘導して発生させることをいいます。その時は、感作した抗原だけを攻撃する特異性が発生します。

ところがNK細胞ではそのように抗原で感作する必要はなく、免疫学的な手法に寄らないでも抵抗性が発生することから変則的といわれています。そのために特異性はありませんが、どんながんをも攻撃することが可能であったのです。

このようにアノマラス・キラー細胞とは、NK細胞などのリンパ球を、非特異的な物質で刺激して活性化した細胞のことで、それは、NK細胞などのリンパ球の遺伝子がそれらの物質の刺激によって目覚めて活性化し、本来の活動を開始した細胞であったのです。

活性化されたNK細胞には特異性はありませんが、どんながんでも攻撃することが出来ます。しかも、ただ単にがん細胞を攻撃するだけでなく、がんの転移を抑える力も持っていたのです。

実際にハツカネズミの実験では、ネズミの体の中のNK細胞を特殊な方法を使って全部取り除いてしまうと、癌が急に大きくなるばかりか、がんの転移も急に増加することが証明されています。

また別の実験では、ハツカネズミの足にメラノーマ(黒色腫)という肺に転移しやすいがん細胞を移植するときに、活性化されたNK細胞も一緒に入れてやると、肺転移がほとんど起こらないことも観察されています。

その一方で、NK細胞を入れない方のネズミの肺は全部メラノーマに占拠されてしまいますから、その差は歴然です。活性化されたNK細胞はがんの増殖を抑えるばかりでなく、がんの転移をも抑える力を持っていたのです。

このような実験結果から、がん免疫の主役はこのNK細胞かもしれないと思われるようになってきました。

そこで、このNK細胞をどのように刺激したら、もっとも効果的にがんを殺す細胞に変身させることができるかが大きな研究課題となってきたのです。

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